今回、紹介したい構造は「グローブ弁」
歴史
バルブの起源は古代エジプトにまで遡ります。
紀元前1000年ごろの遺跡から発掘されたコック(回転できる円すいまたは円柱状の部品)が初期のバルブとされています。
グローブ弁の製造は明治時代に始まり、水道事業やガス事業の発展に伴い、バルブ製造工場が設立されました。
形状と構造:
グローブ弁は、弁箱(body)が球状になっているため、「玉形弁」とも呼ばれます。
弁箱内部に隔壁があり、入口と出口の中心は直線上にあります。流体はS字に沿って流れる構造です。
流体の流れを止めるには、隔壁に設けられた弁座面に弁体を押し付け、流体の流れに抗して流体を止める仕組みです。
用途と特性:
グローブ弁は流通調整ができるため、主に流通調整用として使用されます。
弁体を針状にして流通を微調整する「ニードル弁」や、流体の流れ方向を直角に変える「アングル弁」、真空や毒性のあるガス用として使用する「ベローズバルブ」などがあります。
構造
●形状と構造
グローブ弁は、ボデー(弁箱)が球状になっているため、「玉形弁」とも呼ばれます。
ボデー内部には隔壁があり、入口と出口の中心は直線上に配置されています。流体の流れはS字に沿って進みます。
流体の流れを止めるために、隔壁に設けられたシート面にジスク(弁体)を押し付け、流体の流れに対抗して流体を封じる構造です。
●用途と特性
グローブ弁は流量調整が可能で、主に流通調整用として使用されます。
弁体の形状や抗力、ジスクの作動、ジスクの位置によって、グローブ弁の構造には違いがあり、それぞれに特長があります。
●特長と比較
ゲートバルブと比較すると、グローブ弁は全開時の流体抵抗が大きくなりますが、ジスクを上下させて任意の開度にして流路を調節できる利点があります。
グローブ弁は、流体の完全停止を行うバルブであり、一般的には完全閉または全開の状態で使用されます。
メリット・デメリット
●メリット
遮断性能:
グローブ弁は構造が簡単で、製造とメンテナンスが便利です。また、ストップバルブの作動ストロークが小さく、開閉時間が短い特性があります。
シール性能:
グローブ弁はシール面間の摩擦が小さく、長寿命です。
流量調整:
グローブ弁は流量調整がしやすいため、流量を調整したい場合に適しています。
●デメリット
圧力損失:
グローブ弁は内部がS字状になっており、同じ量の流体が流れたとき、ボールバルブに比べて圧力損失が大きくなります。これは流速が大きくなった際に欲しい圧力が得られなくなる問題を引き起こす可能性があります。
粒子含有媒体への適性:
グローブ弁は粒子を含む媒体や粘度が高くコークス化しやすい媒体には適していません。
調整性能の低さ:
グローブ弁は調整性能が低いため、開度調整を目的とした用途には向いていません。
関連動画