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ボール弁の構造

今回、紹介したい構造は「ボール弁」

フローバル JIS 10Kフランジボールバルブ VF13 呼び径 3/4 VF13-06

 

 

 

歴史

ボール弁とは、球状・半球状・円筒状の弁体の回転によって流体を制御するバルブの一種です。

ハンドルを90度回転させることで開閉でき、操作性が良く、流量特性に優れています。

 

ボール弁の歴史は、1952年にアメリカのハーフナーゲル医師が水筒の栓から着想した「ボール弁」を人工心臓弁として開発したことに始まります。

その後、1960年にスター医師とエドワーズ医師が改良したスター・エドワーズ弁が臨床に応用され、人工心臓弁の分野で広く使われるようになりました。

一方、工業用のボール弁は、1967年にアメリカのジェームズ・ワッツ社が特許を取得し、石油・ガス産業などで使用されるようになりました。

その後、様々な改良が加えられ、金属シートやソフトシートなどの弁座材料や、フランジレスや副弁内蔵などの構造が開発されました。

現在では、水道や化学、半導体などの分野でも多くのボール弁が利用されています。

ボール弁は、その単純な構造と優れた性能から、人工心臓弁から工業用バルブまで、幅広い用途に適応してきたバルブの一つです。

今後も、さらなる技術革新が期待されます。

 

構造

ボール弁の構造は、以下のように分類されます。

遊動ボール形:

ボールとステムが2面巾で連結されており、全閉時に流れ方向へボールが移動する構造です。差圧によってボールがシートに押し付けられるセルフシール効果があります。


固定ボール形:

ボールの上下がステムとトラニオンによって支持されている構造です。全閉時にシートの背面のばね力や圧力を利用して流体を締め切ります。流圧の変動に対し操作トルクの変動が少ないのが特徴です。


Λポート形:

ボールのエッジがΛ字型になっており、メタルシートを採用する構造です。中間開度での流量調節や流体中の夾雑物を切断しながら閉止できます。紙パルプやスラリーなどの特殊流体の制御に適しています。


ボール弁の構造の特徴は、以下の通りです。

・全開・全閉の操作が容易で視認性に優れています。
・シート材料に樹脂や金属を選択でき、シール性に優れています。
・圧力損失が極めて少ない構造です。
・高温・高圧流体に対応可能です。
・自動化が容易です。

 

メリット・デメリット

メリット:

・操作が簡単で、90度回転させるだけで開閉できます。
・流体の圧力損失が非常に小さく、流れがスムーズです。
・シール性が高く、流体を完全に遮断できます。
・高温・高圧流体に対応できます。
・自動化が容易で、電動や空気式のアクチュエータを取り付けられます。

 

デメリット:

・流量の調節が難しく、微開状態で使用すると弁体やシートが摩耗しやすいです。
・弁座が破損すると、急激に大量の流体が漏れる危険性があります。
・グリスが塗布されている場合、流体に混入する可能性があります。
・大口径の場合、開閉に必要なトルクが大きくなります。

 

ボール弁は、操作性や流量特性に優れたバルブですが、流量調節や微開運転には向いていません。用途や流体の特性に応じて、適切なバルブを選択することが重要です。

 

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